5/31/2016

おきなわ便り

5月29日(日)晴れ。

朝、ウミガメ産卵の現場を見た日、午後からNさん家へ。
その際、Aさんから頂戴した新鮮なミジュンをお裾分けに持参した。
先ず、
懸案だったAさんのPC=Windows7のWin10へのアップグレードに取り組んだ。
マシーンはCPU/インテル・デュアルコアで4GBメモリー搭載。必要充分なスペック。
と云うことで、DL→インストールは通常よりスムーズに終了。
Windows10の起動&終了の速さに、Nさんびっくり。
そのNさん家のヤンバル庭園。
さすが沖縄、サルオガセモドキが旺盛な成長をみせている。 
 オオタニワタリとビカクシダも元気。
 カオリレンギョウ。名の如く、甘い香りがすばらしい。
ツンべルキア ミソレンシス。
幻想的なブルーのベンガルヤハズカズラと同じ仲間と思えないオレンジ色。
 これはソテツの新芽。
この新芽を食べ尽くす、クロマダラソテツシジミと云う蝶の幼虫がいると聞いている。
なんと、その蝶が居た。(中心部の右、たぶん産卵のため)
 Nさん家のKちゃんにプレゼントされた、オキナワンシャツと短パン。
更に、Tシャツや黒のタンクトップインナーも。これ着たら40歳は若返る~
加えてにコールマンの偏光サングラスも。これは、サンゴ礁の海がより一層クッキリ見える。

5月31日(火)曇り。

きょうは読書の日。
と云うのも、Nさんに2冊の本を拝借してきたから。
「チョウのとおる道」は、小冊子ながら、昆虫の専門家Sさんが著わしたもので
大宜味つばきの森地域育成協会の発行。 
 子供たちの教育用に編纂されたので、画像とイラストが多く
楽しく拝見させてもらった。そのSさんがレクチャーしている様子がブログに載っていた。
3年ほど前の古い記事ですが、虫仲間の同好会かな・・?
(注:Sさん=比嘉正一さん)
 これは、野山がコンビ二(出版/ボーダーインク社)
昔の沖縄の暮らしを、地域の長老に聞き取り調査した記録。

実は、10年程前に「老子と暮らす」と云うエッセイを読んで以来、本から遠ざかっていた。
で、久しぶりに細かい活字を追うと、直ぐに眠気。睡魔に何度も襲われながら・・
しかし、何とか読み終えた^^~
明治以降、沖縄の先人の皆さんが、貧しくもしたたかに
如何に生きるかの術を発揮してきたか・・が、よく理解できる書であった。
ヤンバルの木の実、葉、草やその根を食用にした生活(生存)の知恵。薬草としての利用など、
興味深い内容だった。
知恵と工夫で何でも調達できる山原の森。古来、野山はコンビニエンスストアだった。
表題の由来、その通り。時代は下り、今なお価値ある内容と思った。
その一部を簡潔に・・
昔、山原での生活は唯一、材木の伐採や炭焼きで支えられていた。
その輸送に陸路はなく、那覇への物流は船が主体だった。
1950年代、陸での運搬は牛馬と人力。60年代を境に近代化が進む。電灯が点ったのは1964年のこと。
70年代にチェーンソー、米軍払下げの軍用四駆トラックが導入され、大量伐採や輸送が実現する。
ところが、
時代はランプから電灯、薪や木炭が石油コンロに代わっていった。
すると、
材木運搬のトラックは、造園用庭石の運び役に。やがてヤンバルから手当たり次第に石が消えてゆく。
金になるものは、何でも「金」にする時代だった。
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キノコはヤンバルの里で「ナーバ」と呼ぶらしい。
薩摩では「ナバ」ちょっと違いの「理由=わけ」は何だろか!?と思いつくのは、あれ・・か?
2016年夏/沖縄の旅。
(つづく)

5/29/2016

速報・ウミガメ初上陸

5月29日(日)晴れ。

ウミガメが産卵した~!
っと、午前7時半にAさんから電話。

昨夜、遅かったせいで爆睡状態継続中。寝ぼけ状態で電話に出ると、「今から迎えに行きます」っと有り難いお言葉・・。

浜に着くと、ウミガメ保護博士のGさんが我々の到着を待ってくれていた。これが昨夜上陸の痕跡、くっきり残っている。
産卵場所から見たウミガメの足跡。
足跡からカメの大きさを推定可能で、この個体はかなり大きいとのこと。
 ここまで掘って、待機していただいていた。Gさんのその心遣いと優しさに深く感謝。
何でも、きょうが今年の初上陸とのこと。従って、これが今年の最初の一個。
 何時もの様に、手際よいGさん・・
 淡々と掘り出していく・・
 こんなの初めて見たよ~!っと、それは楕円形の卵だった。
しかも2個も。Gさん40年の保護活動で、初めて見る変形卵だと云う。その原因は、博士でも分からない・・とのこと。
その合計は、82であった。 
(最高l記録、去年の142個は未だ破られていないそうだ)
今年もウミガメ産卵に遭遇した。しかも、お初づくめの出来事ばかり。
 何をやっているのだろ!?っと、
ビーチを散歩中の観光客が近寄ってきた。
スイスから・・
こっちはホンコンから・・
で、当然ながら質問攻めにあってしまった。
去年仕入れたGさんの受け売りが大変役に立った。産卵は何時だったのか?何で卵を掘り出してるの?子亀になるのは何日後?母亀は戻ってきて世話するの?・・とかなんとか。 
英語、琉球語、日本語が朝一のビーチで飛び交った^^;~
 カメ談義の最中、Aさんは投網でミジュン(イワシ)やアジなどを獲っていて・・
 なんと、今朝の魚を全部頂いてしまった。
昼は冷や麦だったけど、新鮮ミジュンを刺身でご馳走になりました。浜の獲れたて刺身、そりゃ~美味かったですよ。
ウミガメDATA:
Gさんの話では、例年の上陸は3月頃から、今年は極めて遅かったことになる。更に、今日は異例の小潮。上陸は大潮の夜、との定説が覆った。この日、60m離れた場所に違う一頭の上陸を確認。ただし、産卵しないままUターンしていた。
注:大潮で産卵→60日後に孵化する。その日はやっぱり大潮。潮位の高い夕方、子亀が海へ出るのに好都合。
小潮では、海に帰るとき海鳥などの外敵に狙われ易く危険度が増す。
2016年夏/沖縄の旅。
(つづく)

山原へ

5月28日(土)晴れ。

今年、ここにやってきて最初に確かめたのは・・向かいの丘の上。
猪八戒(左)と仙人(右)は無事なのか?
昨年の強烈台風にも耐えただけあって、その雄姿を今年も見せてくれている。
 今朝9時半、ヤンバル大好き人間のN&Sの両名が宿まで迎えに来てくれた。
向かった先は勿論、ジャングル。
最初のポイント、名護市数久田にある轟の滝。その道端に繁茂していたのは
タイワンコモチシダ。
その名の通り、葉の表面にびっしりと着いているのが幼生のシダ。
胞子より、確実な繁殖方法だと思う。
 奥へ進むと、沖縄では珍しい「滝」が現れた。
イグアスと比べるべきもないが、落差と流量ともに申し分なし。
 名護城(なんぐすく)公園のてっぺん、展望台からの眺め。
きょうも、空と海が繋って潔い青はどこまでも続く。これが沖縄夏景色。
(撮影:しょうちゃん)
 名護城公園一帯を散策のあと、ヤンバルの林道を抜け太平洋岸へ。

ランチに立ち寄ったのは、Nさんの旧友MさんのCAFE。
沖縄最北端に近い、ジャングルの一角に住居と店を構えていた。その借景は、右に太平洋
を望み、左には山原原生林。その絶景に暫しため息をつく。
新月の夜、満天の星空は息を飲む壮大な美しさ、だと云う。

敷地内の庭園に、時季のアジサイや無数の花々が盛んに咲いていた。
沖縄原産に拘らず、ハーブガーデンもあったりして芳しい香りに誘われた蝶たちが舞っている。

その中心にヤマモモがたわわに実っていて、一粒頂くと甘酸っぱい懐かしい味がした。
 そこで頂いたカレーライス。まろやかで好みの味だった。
 その店内にあった」大変珍しい」手造り火鉢。
何でも、楠の大木とかで・・巨大な(本来の)幹の年輪の中に、更に6つの年輪がある。
2重構造の不可思議。
「「「昔々あるとき、楠の巨木が切り倒されたとさ。
その切り株から、健気にも新芽が6本吹きだした。と、その芽はすくすく成長し
やがて20年。又々倒される羽目になってしまった、とさ。」」」

昔々、ヤンバルのこの地域では、炭焼きが盛んだったとのこと。楠を炭にした
とは考えられない。材はシロアリなどの食害に強く、良質な建材になったはず。
6本の楠材は何に使われたのか?
この切口から推理すると、炭焼き小屋の柱に丁度の太さ・・と思う。
で、正解は「炭焼き小屋の柱になった」 
(注:不正解かも知れません^^;)
 ランチタイムをゆっくり過ごし、再びヤンバルの奥深くへ。
ハブの出没しそうな沢に降りた。出てきたのはハブではなく「ガラスヒバァ」だった。
森の水はひんやり冷たかった。
 沖縄本島、唯一のモダマの原生地へ案内してもらった。
 おとぎ話の「ジャックと豆の木」を思わせる巨大な蔓に巨大な豆が生る。
残念ながら、今は花の時季。蔓の中途に茶色い花房が見えた。
その花の小ささに驚いた。あの巨豆から想像できないほどの小ぶりなものだった。 
その場所に、ホヤ(サクララン)が開花していた。野生種を見るのは初めて・・かも。
 ヤンバル最北部を巡り、西海岸へ。
渇いた喉を潤すため、立ち寄った海岸のカフェ水母(くらげ)。
 海側に並ぶ小窓から眺める、紺碧の東シナ海。
 そこのネコ、名前はパンダだった。
ホザキイチゴ(食べられる)
 野生化したベゴニアの園芸種。ヤンバルでは、何となく原種に見えてくる。
ヤナギイチゴ。
その名の通り、柳にそっくりな木。
 オレンジ色だけど、イチゴのような風味。ケーキのトッピングやジャムにする。
 時々、車を止めて散策。
今は、ヤンバルの林道も全て舗装された。しかし、ここは厳然とした原生林の中。 
 ヘゴの新芽。
タラノキ。本州よりやや苦みが強く、やっぱり天ぷらが一番らしい。 
ジュラシックパークそのもの。ヘゴが天空に聳える。 
 ジャングルを出て、58号線・大宜味村を南下。
今晩のナイトツアーの為、名護の我部祖河食堂で夕食のソーキソバにありつく。
ゴーヤーとフーチャンプルーも美味かった。
夕食後、暗くなってきたので 
午前中に来た名護城公園(なんぐすくこうえん)へ再び登った。

真っ暗な駐車場に車を止めて、
Nさん「とっておき」のナイトツアーポイントへ。月はなく真っ暗闇のジャングルへ
足を踏み入れる。蛍と光るキノコの観察ツアーが目的だ。

森のあちこちに光が出現。
「点滅する蛍=クロイワボタル」と「しない蛍=オキナワスジボタル」の2種類あり。
足元の地面で光っているのは幼虫。卵も光るとのこと。
バカチョンデジカメでは撮影不能のため、LEDライトを当てて撮る・・
真ん中、オレンジの縞模様はオキナワスジボタルの幼虫。
 光るキノコ(スズメタケ)発見!
青白い幻想的な光。小粒で極めて僅かな光源につき、これも撮影不可。
先週、Nさんはこれより大きなシイノトモシビダケを確認。
一眼レフデジカメで撮影に成功している。
今夜は発見できなかった、シイノトモシビダケ。
先週日曜日、別のイベントで観察にきていたNさんが撮影したものを拝借した。
キノコと蛍の発生には雨が必要。しかし、ここ5日間ほどの晴天続きが灘ありか。 

真っ暗闇の森の中で、子供会メンバー30名ほどの夜間野外活動に出会った。
引率の母親から「あらっ!S先生?」っと、しょうちゃんに声がかかった。
暗闇でよく分かったな~!?っと感心した。

帰途、公園の坂道で、眼下に名護の夜景がきれいだった、。
これもナイトツアーの一環かと!?
帰りついたのは夜10時ころ。歩き疲れか即爆睡だった。
2016年夏/沖縄旅。
(つづく)

5/27/2016

オバアは元気

5月27日(金)晴れ。

きょうも又、真夏そのもの。

昨日の買い出しの不足分・・と云うより、気が付かなかった追加分を
買いに再び名護へ。
昼時だったので、やっぱり道の駅・許田へ立ち寄った。
で、こんな看板がかかっているのに気がついた。
何とここが、
全国1030の道の駅で「ナンバーワン」になったとのこと。
写真の通り、何でもない普通の駅。
敢えて云えば、
この駅の皆さんの「一所懸命さ」とか「手作り感みたいな」良さなのか・・!?

道の駅→スーパーサンエイ→JAファーマーズマートと昨日と
同じコースを回って帰った。
  きょうこそはオバアにご挨拶を、と夕方散歩に出た。
向こう岸の家の前に、オバアの白髪発見。
今年も又、それはそれは元気なオバアに会えてよかった。
あの投網(とあみ)名人、オバア家の当主Aさんにも一年ぶりの再会を果たした。
そして、ウミガメのGさんに連絡していただくと、今年の初上陸予想は
次の大潮かも・・とのこと。
 オバア家で暫しの団欒に花が咲いた後、夕日を見にビーチへ。
と、ジギングのお兄ちゃんが竿を振っていた。
チヌ狙いとのことだったけど、ザンネン気配はなかった。
ボラがさざ波を立てるほど群れていたり、縞模様が鮮やかなウミヘビが泳いでいた。
 東シナ海を茜に染めて沈みゆく夕日は、きょうも大変美しかった。
2016年夏/沖縄の旅。
(つづく)